新型肺炎:検体の移送手段は確保できているか?

今日は、新型コロナウイルス肺炎への対策として検体の移送が気になっていますので、その点を書きます。

本当はここに前置きを書いていたのですが、長くなったので、削除して後ろに回しました。

さて気になっている点なのですが、今後、感染者が数百人を超える大規模アウトブレイク(集団感染)に備える必要があります。今までの事例を見ると、感染者一人に対して要調査事例(濃厚接触者など)が、15~100例発生しているようです。中ほどの少し低めをとって30例だとすると、例えば200人の集団感染であれば、6000人の追跡調査と検査を短い時間で済ませる必要があります。

そのためには、追跡能力の拡充が必要です。また、検査能力の向上もある程度必要です。ただし、検査能力については、増やしすぎると維持が難しい、検査装置を扱う人は簡単には増やせないという問題があります。

これらについては、すでに認識されて取り組まれています。

ただ、私が知らないだけかもしれませんが、検体の移送については検討されている節がありません。これもボトルネックになり得ると思うので、ぜひ準備をしていただきたいと思います。

検査できる施設は全国に散らばっています。一方、大規模なアウトブレイクは、特定の地域で発生します。大規模アウトブレイクの場合、特定の地域内の施設だけでは検査をこなせないのは明らかです。この偏在と局所の問題を解決するには、被検者の検体を余裕のある施設に輸送するしかありません。

しかし、私が調べた範囲では、この輸送は結構手間です。緩衝材で保護したうえで梱包を三重にしなければなりませんし、保冷材も必要です。また輸送する人・車も、誰でもよいわけでなく特定の条件を満たす必要があるようです。

したがって、急にやれと言われても、直ぐにできるわけではありません。

私の杞憂ならよいのですが、検体の輸送がボトルネックになるように思うので、是非ともこの点への準備もお願いしたいと思います。野党議員にも、ぜひこの点を質問していただければありがたいと思います

 

ーここから削除した前置きです。

その対応について、いろいろ政府が批判されています。専門家の話を聞き、議論を重ねて、いい対策を立てていただきたいと思います。

ただ、その時にぜひとも変な専門家の意見や、いい加減なことを喚き散らすテレビ番組に影響されないようにしていただきたいと切に願っております。特に野党の議員。

すでに事実認識がおかしい質問や批判が国会議員からされており、野党の成長を心から願う私にとって失望が積み重なっている状態です。残念でなりません。

さて、その事実認識がおかしい事例にPCR検査件数があります。可能な最大件数が少ないとか、そもそも現在の検査可能数に対して実際の検査数が少ないとか、各県に聞き取りして実際の検査数を調べたりとかしています。

しかし、検査可能数をどの程度まで増やすのかを根拠をもって示してはいません。政府には科学的根拠を求めるのにです。しかも、予算やスケジュールも示していません。自分に甘すぎです。また、検査可能数に対して実際の検査数が数分の1にとどまっているのは、検査可能な施設が全国に散らばっているのに対して、必要な検査が発生しているのは特定の地域でしかないという、偏在と局所のミスマッチでしかありません。さらに、今大阪のライブハウスを起点に比較的大きなアウトブレイクが発生していますが、これ以上の大規模アウトブレイクに備えるためにも、100%に近い状態で稼働させるわけにはいかず、十分な余裕を持っておく必要があります。こんな明らかなことが分からないのはバカとしか言いようがない。

また、各県への聞き取りによる検査件数の調査については、意味が分からない。少し調べただけでも特定の件で間違った数字が出ていますし、合計値も私の推計値と大きく異なります。また、件数なのか人数なのかも不明です。まあ、合計については私の推計値がどれだけ正しいかという点の問題もありますが、個別の件で割と大きく間違っているし、件数か人数なのかが分からないし(おそらく両方が混じっている)、いったい何の調査なんでしょう?