新型コロナ:推定してみた2(7/8時点で報告遅れ数は約550万回、高齢者1回目接種率は約81%となった)

7/5に書いた記事の更新版です。

新型コロナ:ワクチン接種数の報告遅れ数と現在の接種ペースを推定してみる(それぞれ550万回以上と130万回/日以上になった) - Baru’s blog 水たまり

 

 前々回の記事で議論が不十分だったので追記しようと思っていたのですが、もたもたしている間に情勢が変わりました。なので、7/8の最新のデータで計算しなおしつつ、全体での報告遅れ数と、高齢者の1回接種率を推定しました。前者は残りワクチン数の見積もりに重要ですし、後者は高リスク群への早期接種という観点で重要と考えてます。

推定に使う仮定は前回と同じですが、2つめがちょっとあいまいだったので、2つにわけました。。

仮定1:ワクチンの2回目接種数は接種間隔だけ前の日の1回目接種数とほぼ一致する。
仮定2:同じ日の2回目接種と1回目接種で、報告遅れ比が同じ。
仮定3:同じ日の高齢者と非高齢者で、報告遅れ比が同じ。

まず、仮定1から2回目の累積報告遅れ数を推定します。これは簡単で、7/8時点の2回目接種報告数の累積値をその21日前の6/17日の1回目接種報告数の累積値から引くだけです。
まずファイザーワクチンについてみてみます。

  • 7/8の2回目接種報告数の累積値;21,020,054
  • 6/17の1回目接種報告数の累積値:23,009,139
  • 両者の差:1,989,085

ファイザーワクチンの2回目接種については報告遅れは約200万となりました。2100万の報告数に対して200万の遅れ数ですから、それらの比(報告遅れ比)は0.095です。また、報告数に推定した遅れ数を足した2回目接種の7/8の推定実績数は2300万回になります。

モデルナワクチンについても同様に計算しました。その結果、モデルナワクチンの2回目については報告遅れ比は0.273でした。

ただ、これらはそれぞれ接種間隔をそれぞれ21日と28日にした時の結果です。接種間隔を1日延ばして22日と29日にすると3割ほど小さくなります。調べた範囲ではほとんどの人は21日と28日で接種していますが、一部、もう少し長くなった人がいるようです。なので、それぞれを5%小さくした次の値を採用しました。

  • ファイザーワクチンの報告遅れ比:0.090
  • モデルナワクチンの報告遅れ比:0.259

ファイザーとモデルナのワクチンのそれぞれについて報告遅れ比が求まったので、これを使って仮定2、3に基づいて接種実績値を推定しました。

 

  報告数 報告数の人口比率 推定報告遅れ数 推定接種実績数 推定接種実績数の人口比率
全体の1回目 36,053,625 28.6% 3,460,000 39,510,000 31.4%
全体の2回目 21,296,599 16.9% 2,060,000 23,360,000 18.5%
全体の接種回数 57,350,224 - 5,520,000 62,870,000 -
高齢者の1回目 26,258,095 74.0% 2,480,000 28,740,000 81.0%
高齢者の2回目 15,327,087 43.2% 1,530,000 16,850,000 47.5%
高齢者の接種回数 41,585,182 - 4,010,000 45,590,000 -


この推定では7/8の時点で、報告遅れ数が550万回で、総接種数は6287万回となりました。ワクチンの残りを見積もる際には550万回分を考慮する必要があります。

また、高齢者の1回接種率が81%になりました。同じ方法で推定した、高齢者の1回目得接種率のペースは現在45万人/日程度と思われますので、7/10までに後90万人分(2.5%)が加わることになりますので、7月末での高齢者の2回接種率は約84%になると思われます。6月下旬の段階でまだ悩んでいた人がいたので、8月上旬も積みあがることでしょう(ちなみに、高齢者の1回目接種数は次第に減少しています)。 なので、85%は上回るでしょうが90%を超えるのは難しいかもしれません。首相が7月末に高齢者の接種を完了するといった4月下旬には、打てない人や自分の意思で打たない人がいるので85%も行けば成功だろうと思っていたのですが、それは上回りそうです。死者数を減らすという観点では良いニュースだと思います。

 

 同じ方法で日別の接種数、すなわち接種ペースを推定すると、7/8は約140万回/日でした。官邸の発表にあるように、報告更新数は250万回ですから、実に110万回は報告遅れを取り戻した数になります。