マニフェストはどうなるんだろう?

まあ、鳩山政権は失政によって支持を失ったわけですが、私が思うにその失政の原因は実現不可能なマニフェストを組んだことです。したがって、マニフェストの重要ポイントに変化がなければ、再び失敗するでしょう。

普天間移設問題については、元の自民党案に戻ったようですので、少しは状況がましになっているのかもしれません。が、せっかくほぼ落ち着いていたものを、期待を持たせた上で再び落とすという形で、ぐちゃぐちゃにかき回したわけですから、少なくとも沖縄の世論が去年の選挙前の状態に戻ると言うことはありえない。

それにしても、メディアではいい加減な識者がこの件で、日米安保を根本的に考え直す中で解決せよという意味のことを言っていますが、ほんと腹が立ちます。潜在的に危険のある普天間飛行場を早期に廃止することがまずは大事なのに、そんな時間の掛かることをしていれば、危険が継続することになると言うことがわからないのでしょうか? この件で、民主党社民党が果たした役目を私は許すことが出来ません。

政策を支える財源の確保は、事実上失敗しました。

子ども手当と高速無料化、農業手当などのばらまきは規模を大幅に縮減しなければなりません。子ども手当と高速無料化は部分的に実施したと言うことで強弁できるかもしれませんが、農業手当まで手がまわるのでしょうか。

財源・税については、仕分け作業の失敗が見えてますので新たな財源が必要になりました。既に石油類の暫定税率の廃止はなくなりました。おそらく環境税導入などで増税をはかることになるのでしょう。たばこ税は既に上げることを決めていますが、今後も段階的に上げるのでしょう。酒税も、ビールだけは税率を下げつつ、全体としては増税になるように手を加えることになると予想します。

消費税と所得税の税率には手を付けないようですが、所得税の扶養控除廃止をどうするのでしょうか?子ども手当とセットのはずでしたから、これを実施しないと財政の均衡がとれないはずですが。

そうそう、こんな記事がありました。

消費税議論「タブーにせず」 社民・辻元氏、必要性を表明 :日本経済新聞消費税議論「タブーにせず」 社民・辻元氏、必要性を表明

 社民党辻元清美衆院議員は6日午前のフジテレビ番組で「財源の問題で、与党にいていろんな現状が見えてくる。消費税も含めて議論をすることをタブーにしてはならない」と、消費税増税の議論が必要との考えを表明した。社民党は昨年の衆院選マニフェスト政権公約)で「消費税の引き上げはしない」と明記しており、党方針と異なる踏み込んだ発言は議論を呼びそうだ。

 鳩山政権で国土交通副大臣を務めた辻元氏は「無駄な公共事業をどれだけ削り込めるかをやってきた。でも、なかなか夢のように一杯出てくるわけではない」と述べ、歳出削減には限界があるとの認識を示した。その上で「財政の中身を国民にしっかり示すことが大事だ。社会保障をきちんと整備するにはこれだけ(財源が)いりますと、今まで見えなかった」と、社会保障の整備のため増税による財源手当が必要、との考えを示した。

この辻元氏の発言は、「今まで真剣に考えていませんでした。無知でした。」という表明以外のなにものでもありません。素人の私でさえ、ネット上でアクセスできる統計データを調べるだけで、大きな歳出削減は無理なこと、増税が必要なことという結論を導き出しています。それも、7年前にです。そのときまでは公共事業を削るというオプションがあり得たのですが、小泉政権で大幅に削減されて、この手もとれなくなりました。民主党がさらに削っていますが、結局補正予算で戻す結果になっています。社民党の議員は国会議員の資格がない、そう思います。民主党も相当怪しいと思います。なにしろ、去年のマニフェストを見る限り、馬鹿の集団だとしか思えない。