GSOMIA破棄は韓国政府の北朝鮮融和策の一環である

まあ、韓国政府は、ホワイト国外しによる信頼の低下や文大統領の呼びかけに日本が答えなかったことを理由にしていますが、タイトルも大きな理由だと思います。

文大統領の呼びかけに答えなかったといっていますが、文大統領が実際に何かを提案したわけではありません。それまで声高に避難していたのをトーンを弱めただけで、輸出管理上の改善案もないし、徴用工問題や慰安婦合意破棄についても何も進展はありません。というより、それらすべてについて妥協する気はないとの声明をずーっと出し続けていますから、何を答えろと言っているのか、わかりません。

 

GSOMIA破棄は北朝鮮融和策の一つとしてとらえることができるのですが、残念なことに過去の融和策はすべて失敗しており、そのたびに経済的損失が生まれ、また核爆弾開発成功やミサイルの性能向上など安全保障のレベルが下がっています。

今回も同様に融和策は無意味に終わるでしょう。一度やめてしまっているので、GSOMIAを再開することのハードルが上がりました。すなわち、最初のGSOMIA開始の決定に比べて、再開は国際関係上の困難を伴うことになってしまうでしょう。

それ以上に問題なのは、北朝鮮への圧力が低下したことですね。非核化は少しだけかもしれませんが遠のいたといえます。

 

一方、融和策としてみた場合、最近の北朝鮮の韓国に関する声明を見れば、その効果は全くないといえます。

日本に対しての効果はどうかというと、この決定によって、日本の政策が左右されることはありません。輸出管理上の問題が解消したわけでも軽減したわけでもありませんし、慰安婦合意破棄と日韓条約や協定の破棄の状態が改善したわけでもありませんから。

要は、北朝鮮への圧力を弱め、日韓関係の緊張を強めただけなのですが、何をしたいんでしょうね、韓国政府は。