日の丸君が代反対派はそれでいいのか?

些か旧聞に属しますが、東京地裁で、日の丸掲揚時の起立と、国歌斉唱を公立学校教員に強制した東京都教育委員会の通達が憲法違反だという判決が出ました。

主要紙が社説で取り上げているのですが、それを読むと

  • 朝日は、諸手をあげて歓迎
  • 中日も、諸手をあげて歓迎しつつも、「「日の丸・君が代軍国主義の支柱」とした点については留保
  • 毎日は、歓迎しつつも、起立斉唱の指導は容認
  • 読売は、判決の不合理性を批判
  • 産経は、躍起になって糾弾

と言う感じです。また、当然のことながら、原告やその支援団体を初めとする、左派も諸手をあげて歓迎しております。

個人的には、起立は礼儀作法と見なしているので強制は容認するが、国歌斉唱を強制するのは駄目という考えです(上司と一緒に行くカラオケじゃあるまいし、歌うことを強制するなんて野暮です)。が、両方とも駄目という判決でも特に反対はしません。ただし、両方の強制とも可という判決が出れば、これには反対します。

こういう姿勢の私ですが、それでも無条件に歓迎している左派の人々の言葉を聞く・読むと、その勇ましさにひいてしまうと共に、それで大丈夫なのと心配になります。
うろ覚えですが、80%以上の人は日の丸・君が代を受け入れていますし、少なくない数の人が日教組の過去のエキセントリックな反対を覚えており、それに対して眉をしかめていたことも事実です。そう言う人たちにとって、左派の勇ましすぎる言動や、突飛とも取られかねない認識は反感を呼ぶことはあっても共感を覚えるようなものではありません。

また、判決文の要旨を読むと読売新聞社説の批判にも一定の説得力があり、この判決文が、そのまま高裁や最高裁を通るとも思えません。

私としては、斉唱の強制は無くなって欲しいし、できれば学習指導要領で定められている斉唱指導の義務も無くなって欲しいと思っています。だからこそ、いろいろ疑念が残る今回の判決や、政治的に負けを呼ぶとしか思えない左派の反応には不安を覚えずにはいられません。