県別世帯当たり自動車保有台数と所得の関係

kechackさんから、揮発油税暫定税率廃止に関する前回のエントリにコメントとトラックバックをいただきました。私と異なり、kechackさんは、地域格差是正の観点から暫定税率の廃止に賛成しておられます。この問題については様々な要因が絡んでいるためゆっくりと考えてみたいと思います。

さて、今日のエントリですが、kechackさんが

http://d.hatena.ne.jp/kechack/20051209

で、示されたことについて別の観点から調べた結果を書きたいと思います。

kechackさんは上記エントリにおいて地域格差を示すために、県別世帯当たり自動車保有台数と所得に関するデータを記載しておられます。しかし、所得の上位8県と下位2県しか載せていないことと、上位8県には保有台数の少ない大都市が含まれていることから、地域差が明確とは言えません。

そこで、下に示すように、世帯当たり保有台数の上位10県と、県民所得の下位3県のデータを抽出し、表にしてみました。項目は、保有台数、保有台数の順位、所得、所得順位の4つです。

これをみると、保有台数の上位10県の所得順位はバラバラで関係が強いとは言えません。所得下位3県のデータを見ても強い関係性はありません。おそらく他の要因がなければ、保有台数と所得との間に強い相関が生まれると思われますが、都市進行度、地形なども関係すること、田舎では車が必需品であることから、所得との関係性がかなり弱まっていると考えられます。したがって、世帯当たりの自動車保有数に地域格差を見いだすことはできないと思われます。

県名 保有台数 順位 所得 順位
福井 1.88 2,832 15
群馬 1.83 2,828 16
富山 1.78 3,027 8
山形 1.77 2,411 36
長野 1.75 2,733 20
岐阜 1.73 2,701 22
茨城 1.73 2,929 13
栃木 1.68 3,062 6
佐賀 1.66 2,453 34
鳥取 1.65 10 2,371 37
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高知 1.29 約30 2,152 45
青森 1.43 約20 2,152 46
鳥取 1.17 約35 1,987 47

データは本川氏作成の社会実情データ図録から抽出させていただきました。

http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/7450.html
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/7662.html

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